小学生の女の子とお父さん。
手をつなぎ、レンガの道を歩いている。
海に太陽の光が反射し、きらきらと輝く。
女の子はお父さんを見上げてこう言いました。
「わたし、大きくなったら、ここでアイスクリーム屋さんをする」
すると、お父さんの頬に一筋の涙が。
不思議そうにお父さんを見つめる女の子。
お父さんの涙の理由はーー。
絵本の舞台は、宮城県女川町。
東日本大震災から15年目という節目に、この物語は出版されました。
女川には最大14.8メートルの津波が到達しました。
死者・行方不明者は827名(人口の約8.3%)。
3934棟が被害を受け、その規模は町全体の住宅の約9割にも達しました。
壊滅的な被害を受けた女川ですが、震災のわずか1か月後には、「還暦以上は口出さず」という覚悟のもと、若い世代が中心となり、復興に動き出します。
まちづくりの大きな岐路となったのが「防潮堤をつくらないという決断」です。
防潮堤を見えるようにつくるのではなく、まちの高さを上げることを選びます。
津波で被災した沿岸部において、唯一の選択でした。
女川の人々はどのようにして「海とともに生きる」ことを選び、「かべのないまち」を実現したのでしょうか。
この絵本を通じて、困難を乗り越える人間の強さや、絶望の淵から希望を見出す力を、未来の子どもたちに伝えたいと切に願っています。
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